激動の時代、国内外で活躍した行橋の誇る「知の巨人」末松謙澄。世界に向けて日本文化を発信した明治時代の“インフルエンサー”としての側面を、凛としつつもくつろぎながら文章の草稿を練っている姿で表現した。
制作に当たり、駅前広場に置かれることを想定し以下の条件を掲げた。
「①物理的な量を実現すること、②多くの人が興味を持てる“仕掛け”をつくること」
①に関しては、椅子に座っている像を構想し実現を図った。像の膝あたりに目線が来、やや見上げることを想定したポージングと人体比率にした。
②に関しては、ハイバックチェアと本が一体となる造形上の遊びを盛り込んだ。開いたページの隙間から雲をあふれ出させることで、文人としての豊かな創造性を表現している。